★★未来のお伽噺★★02/99・その320B2年。
当時、与党の衆議院議員だった新井武さんは<国民
アンケート>の結果をみて、
すぐに、国会議員全員に対する<公開質問状>を作成し、その質問内容をインターネットで公開したのです。
その質問は、全国会議員700人の回答を一目で判る一覧表にまとめるために、簡潔なものにしてありました。
その質問は次のようなものでした。
【質問1】あなたは国会で<憲法第67条の改正の是非>を討議する委員会を設置することに賛成ですか?反対ですか?
いきなり「
首相公選制に賛成ですか?反対ですか?」と訊ねないところが、この質問のうまいところでした。
国会は、国民を二分するような重要な議題について充分に討議し、審議を重ねる場という建前になっているのですから、国民の要望が圧倒的に大きい<
首相公選制の実現>について、国会議員として公の場では、その委員会の設置に「反対」とは言えないからです。
【質問2】もし、近い将来、<
首相公選制>が実現したら、あなたは首相選挙に立候補する意欲が有りますか? 有りませんか?
これも上手い質問です。
「立候補しますか?しませんか?」という質問であれば「立候補しない」と回答する国会議員は多かったかもしれませんが、「立候補する意欲が有りますか?」という質問に対して「意欲は有りません」とは答えられないものだからです。
【質問3】もし、<
首相公選制を実現するための憲法第67条の改正を問う>法案が審議されることになった場合、あなたは賛成しますか? 反対しますか?
【質問4】上記3つの質問に対するあなたの回答内容を回答の有無も含めて<
首相公選制の是非を訊く国会議員
アンケート>サイトに公開することに同意されますか? 公開を拒否されますか?
国会議員にしてみれば、自分の
アンケート結果がインターネットに公開されることを拒否したら選挙区の支持者に何を言われるか判りません。
もちろん、最初の頃は回答を拒否した国会議員もいたのですが、新井武議員は、自分が開設した<国会議員
アンケート>サイトに、回答や公表を拒否した議員の氏名を公表したのです。
そこには議員事務所の電話番号、ファックス番号、メールアドレスまでも明記しておいたので、その議員事務所には全国から<非難>や<抗議>が集中することになったのです。
それで慌てて<賛成回答>を寄せて公開を願い出る議員が増えたのです。
特に新井武議員が「回答や公開を拒否した議員に抗議をしよう!」という呼びかけをしたわけではなかったのですから、抗議された議員は新井議員に文句を言うこともできなかったのです。
もちろん、この<全国会議員への
アンケートの実施>や
<首相公選制の是非を訊く国会議員アンケートサイトの開設>も、
すべて小久保さんの本に書かれていた<実験>項目だったのです。
結局、与野党の枠を超えて、全会一致に近い形で、<憲法第67条だけの改正>を可決し、日本で初めての
国民投票を実施することになったのです。
このように与野党の思惑が合致したのは当然だったのです。
なぜなら、<首相公選制>が実現すれば、与党の党首だけでなく、野党の党首にも一気に首相になれる可能性が出てくるからです。
それどころか、所属政党や、国会議員としての当選回数に関係なく、若い議員でも、無所属議員でも、国民的な人気を得て、立候補すれば、一気に首相になれることさえ出来るようになるからです。だから、憲法改正に必要な衆参両院総議員の三分の二以上の賛成が簡単に得られたのです。
もちろん、新井武議員も<最初の首相選挙>の時から立候補するつもりだったのです。
(続く)
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